シャープの洗濯機につなぐ「銀イオンホース」とは？生産終了したのはなぜ？

乾いた洗濯物から、嫌なにおいがした経験はありませんか？しつこくにおう「部屋干し臭」「生乾き臭」は、実は普通に洗濯をしても消えません。対策法を知って、しつこい嫌な臭いをなんとかしたいですよね。

そこでおすすめしたいのが、「銀イオンホース」を採用した洗濯機です。シャープのAS-AG1のような、後付けできる銀イオンホースもあります。銀イオンの力で洗濯物の消臭に加え、洗濯槽を清潔に保つ効果が期待できる一方、効果なしといった意見も耳にします。

この記事では、銀イオンホース洗濯機のおすすめ機種を、「におい」の原因や対策とともに紹介します。銀イオンホース洗濯機のメリット・デメリットもわかりやすく解説。そして「なぜ銀イオンホースを過去に生産終了したのか」気になる理由も必見です。

そもそも、洗濯物につく「ニオイ」は何のにおいなのか気になりますよね。実は、洗濯物の「生乾き臭」はモラクセラ菌という細菌の排泄物が原因とされています。水分や皮脂などをエサに繁殖するモラクセラ菌は、洗剤カス・皮脂汚れなどで増えるのです。

モラクセラ菌は一度つくと乾燥を待つ間にも増加するため、外干しをして完全に乾かしてもにおいが残ります。洗濯槽の汚れも菌のエサになるため、きちんと洗ったつもりでもかえって衣類に菌をつけてしまう場合もあります。

洗濯物にモラクセラ菌を増やさず、においを発生させないためには、洗濯物を溜めない・清潔な洗濯槽で洗濯する・洗濯後はなるべく間を置かずに乾燥させるのが非常に大切です。

「銀イオンは一体どのような効果があるのか」「肌に触れる洗濯物には影響がないのか」と気になる方も多いですよね。ここではそんな疑問を解決する銀イオンのメリット・デメリットについて解説します。

銀イオンの一種です。銀イオンが発生する仕組みは、銀に電気を流すと発生します。銀イオンには、バクテリアの細胞遺伝子の分離を阻害・死滅させる効果が認められており、身近なところでは制汗スプレーや歯科治療のほか、温泉の衛生管理などに利用されています。

銀イオンホースを採用した洗濯機は、衣類を銀イオンでコーティングしてモラクセラ菌の発生を防ぐばかりか、洗濯槽の汚れの原因となる黒カビの発生も抑制するのです。消臭効果が期待できるとともに、いつまでも清潔な洗濯槽を保てます。

銀イオンのデメリットとしては、ごくまれに、効果なしと評価されたり、衣服についた銀イオンで金属アレルギーの反応がでたりする場合があります。その場合は、すぐに使用を中止してください。また、液体中性洗剤や柔軟剤を大量に使って洗濯した後に天日干しすると、洗濯物が黄ばむ場合があります。

洗濯機には銀イオンの搭載を終了したシャープですが、現在は洗濯機に銀イオン水を給水できる銀イオンホースの「AS-AG1」を販売しています。給水ホースにつなぐだけで、内臓の銀電極から銀イオンが洗濯水に溶出し、衣類を菌から守る効果が期待できるのがポイントです。

銀電極が2枚組みこまれ、給水時に電気制御で銀イオンを発生させます。1日1回の洗濯を行う場合におけるカートリッジの寿命は1年ほどなので、1年に1度を目安に交換が推奨されています。洗濯機本体を買い替える必要はないので、手軽に銀イオンの効果を試したい方におすすめです。

シャープの銀イオンホースは、手軽に銀イオンの力を実感できる優秀な製品です。ここで、実際に購入・使用された方の意見を紹介します。

銀イオンホースの取り付け方は非常に簡単です。商品に同梱されている取扱説明書にも記載がありますが、ここで簡単に取り付け方を紹介します。まずは、事前準備として蛇口を閉じてから電源を入れ、15秒運転してください。その後洗濯機の電源を切り、ホース内の水を受けるための容器やタオルを用意します。

取り付け方

1. 蛇口からホースを外す
2. 洗濯機ホースを銀イオンホース下部にある接続部につなぐ
3. 蛇口に銀イオンホースを取り付ける
4. ACアダプターを銀イオンホース下部に接続すしてコンセントに差し込む
5. 蛇口を開けて蛇口・接続部からの水漏れがないか確認する

人間にとって優れた特性を持つ銀イオンですが、その力に着目・洗濯機に搭載しているメーカーは限られています。ここでは、銀イオンホースを使った製品を展開している主なメーカーを2つ紹介しますので参考にしてください。

シャープは槽内に汚れを持ち込ませないための「穴なし槽」を独自に開発するなど、防菌・防カビに力を入れている企業です。最近は銀イオンが標準搭載された機種の販売はしていませんが、過去には「ES-GE60N」のような銀イオンによる抗菌効果が謳われた機種が開発されていました。

現在、シャープの製品に搭載されている抗菌機能では「プラズマクラスター」が有名です。また、洗濯機の給水ホースに接続し、銀イオンを含んだ水で洗濯ができる「銀イオンホース」を販売しており、こちらは現在も購入できます。

洗濯機を数多く開発している東芝。代表作「ZABOON」シリーズには、縦型洗濯機で9kg・ドラム式洗濯機で10kg以上の大型機種に銀イオンユニットが標準で搭載されています。現在、銀イオンの採用にもっとも積極的なメーカーです。

東芝が採用している銀イオンユニットは、洗濯時に銀イオンを溶出させる仕組みです。消耗品ではありますが、10年間は交換不要な耐久性を備えています。小型機種には採用されていないのが難点ですが、ハイスペックな洗濯機が欲しい方にはとくにおすすめです。

銀イオンホースは2004年から商品化されましたが、発売から3年程で生産が終了になった経緯があります。初期モデルのユーザーからは非常に人気があった商品なのに、なぜ販売をやめたのか理由が気になります。銀イオンホースを使った方には人気でしたが、知名度がいまいち上がらなかったのが生産終了の理由です。

しかし、その後も「銀イオンを使った洗濯機が欲しい」と根強いファンからの声が続き、銀イオンホースに関する問い合わせは継続的にあったため、再販に至りました。新しく開発した商品は、既存の洗濯機に取り付けられる銀イオンホース（品番 AS-AG1）の形で復活しました。

復活した際、デザインは一新されました。以前よりもコンパクトなデザインとなり、狭い洗濯機置き場でも設置がしやすくなりました。さらに、以前のモデルにあった電源スイッチは設けず、給水ホースにカチッと接続するだけで給水を検知し銀イオンが溶出します。使い勝手が良くなり、装着も簡単です。

大手メーカーの洗濯機やホース以外にも、銀イオンの力を使って洗濯できるアイテムがあります。ライフプロダクトブランド「SAWAWA」の出している「SAWAWA AgTRY（爽泡 エージートライ）」です。

洗濯機のホース間に取り付けると、洗濯時に電気反応で銀イオンを発生させます。さらに、ナノバブルも発生させて洗濯槽の表面をきれいにするのが特徴的です。取り付けはプラグを差し込むだけなので、工具が必要ありません。

ここまで、抗菌・防臭に効果のある「銀イオン」を解説しました。銀イオンは人体には安全・環境にも優しく、日常生活の中にも広く用いられています。人間の目には見えない細菌やにおいの対策として、銀イオンの力をぜひ取り入れてください。